
ある日、家事代行さんにキッチン周りのお掃除をお願いしました。
終わったあとに一人、お片付けをしていた時のお話です。
家事代行をお願いした日、私は一人せっせと動いていた
ASD夫は普段から食器洗い以外、全く家事をしません。
冷蔵庫の中や、キッチン周りをかねてより掃除したい、でも、私だけするのはなんか腑に落ちないということで、家事代行さんにお願いして、3時間掃除してもらうことにしました。
事前に、家事代行さんとやりとりする中で、冷蔵庫の中身や、電子レンジ、炊飯器、食器など全部空っぽにしてもらってると、運搬の時間が省かれて、より広範囲の掃除ができると言われていました。
冷蔵庫の中身を出し、電子レンジ、炊飯器、調味料、食器類をすべてリビングへ運ぶ作業。
軽い引っ越しのようなこの作業を、私は一人でやりきりました。
キッチンを空にしないと、掃除ができないから――。


家事代行さんが帰られたあと、事件は起こった・・・
家事代行さんにしっかりお掃除してもらい、シンク、ガスコンロ、食器棚がピカピカになりました。
きれいになったキッチンを見て、ウキウキしていたのもつかの間。
これから全部片付けないといけないというタイミングでASD夫が外出先から帰宅しリビングに入ってきました。
リビング中に広がった食器類、家電、食料品などを見て、最初は驚いてましたが、それも数秒ですぐにテレビを見始めました。
私が汗をかきながら動いている横で、何ひとつ言葉を発することもなく、ただ画面を眺めていました。
「手伝おうか?」
「何かやることある?」
そんな一言があれば、私はあんなふうに壊れなかったかもしれません。
掃除が終わった後、私はひとりで元に戻す作業をしていました。冷蔵庫の中身を戻し、家電を定位置に運び、食器を片付け――。
その時でした。
怒りと悲しみが一気に溢れてきて、大声で叫びました。
「ちょっとは手伝ってくれたらいいんじゃない?」
「忙しそうなのわからない?」
そしたら、ASD夫は答えました。
「自分が好きで家事代行頼んだんやろ?」
「こっちは関係ない」
かっちーん
自分の中の我慢の糸が切れた瞬間でした。
怒りと悲しみが一気に溢れてきて、息がうまくできず、私はその場に崩れ落ちました。
「もう、どうにでもなれ」と思いました。
過呼吸になり、体が動かなくなって、頭は立ち上がりたいと思っているのに体が動かない状況が10分ほど続きました。
その時の記憶はおぼろげですが、ASD夫らしく、予想通り棒立ち数秒その後すぐTV観覧を再開していました。
私が大声を上げたので他の部屋にいた子どもたちはリビングに走ってきました。
子どもたちは何事?と不安になり、泣いていました。
こんな母親の姿を見るのは初めてで衝撃を受けた様子でした。
ASDの特性と、傍観に見える行動
夫はASD(自閉スペクトラム症)です。
感情の変化や場の空気を読むのが苦手だったり、他者の立場になって考えることが難しかったりします。
今回のように「誰かが忙しくしているのに、自分は何もしない」ように見える場面も、本人には悪気がないことが多いらしいです。(色んな本によると)
けれど、私は“妻”である前に“ひとりの人間”です。
黙って見ているだけの夫に、心が折れてしまいました。
その後、この女は、手に負えないと判断したASD夫は、地方に住む自分の母に電話して助けてほしいと言っていました。
なぜ、妻が狂っているのか理解できない。子どもが可愛そうと電話で言ってるのが聞こえました。
応援に来た姑は、自分の息子は悪くない、悪いのは嫁である私だというので、もう今は絶縁しています。
カサンドラ妻としての私
「カサンドラ症候群」という言葉があります。
発達障害のあるパートナーとのコミュニケーションが成立しづらく、孤独や無力感を抱えて精神的に不調をきたす現象のことです。
私も、気づけばこの言葉の意味を、体で理解するようになっていました。
自分の限界に気づかされたこの出来事を通して、私は今、少しずつ「助けを求めること」を学んでいるところです。
同じような思いを抱えている方へ、伝えたいのはひとつだけ。
どうか、自分を責めないでください。
ひとりで頑張りすぎないでください。
自分の気持ちを大切にしてください。
このブログが同じようなお悩みを抱えているお母さん方の一助になれば幸いです。


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